癌患者のための車椅子シーティング
かなり前ですが、平成 28 年 4 月の日曜日の午後、テレビ番組で『ザ・ノンフィクション生きて~天野貴元 30 歳~』 が放映されました。この番組は末期がんのアマチュア将棋棋士の最後の姿を追ったドキュメンタリーの番組です。
最後にアマチュアの大会に出たのは、亡くなる 3 週間前のことでした。母親の肩を借りて、やっと歩き、車椅子の姿もありました。その時、お母さんが一つモノを持っていました。
それはロホクッションの箱です。脊髄損傷者の車椅子上で使われる車椅子シーティングの一部である車椅子クッションです。
大会での1局の時間がわかりませんが、折り畳み椅子に座って将棋を打っていました。この末期の状態で長時間座るとお尻が痛くなり、将棋どころではありません。皆さまも座ってお尻が痛くなると我慢できなくなる経験はなされたと思います。ところがお尻の痛みもなく彼が将棋を続けられたのはこのクッションを使ったからだと思います。
しかし、予選を勝ち上がるには体力が必要であることを彼は話、悔しがっておりました。
それが最後の方の映像で、その後に亡くなったことが報告されました。車椅子シーティングはまさに黒子のごとく人間を支えるものであり、彼の生活の質の向上に寄与したことは間違いありません。 文責:代表理事 廣瀬